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大企業で働くということ

「好きを貫く」ことと大企業への就職

梅田のエントリ中の発想は、梅田が生まれ付いてのエリートだからという意見が多いものの、それは僻みというか、自分の置かれた状況を肯定したいという思いの表れというか。まぁ、日本で「好きを貫く」ことだけを価値判断基準として就職先を選べるのはごく一部の階層の人だけで、たいていの人は家族や地域や、いろんなしがらみの中で選択を迫られているわけで。そういう状況で選択をしてきた人にとって、梅田の意見は理想論としか聞こえないのかもしれない。

ベンチャーか大企業か、という二者択一はやりすぎとしても、

僕は「好きを貫く」ということを言うとき、自分の価値観を押し付けたいなんて微塵も思っていない。自分は何が好きか、ということを徹底的に突き詰めて考えないと、専門性を持ったプロフェッショナルになるがいいのか、ベンチャーがいいのか、大企業に就職して幸せになれるのか、そうでないのか、ぜんぜんわからないよ、ということをよく若い人に言っているだけである。

という梅田の意見には同意。

それじゃぁ大企業で働くことって何だ?

引用の引用になるけど、

大企業における20:80の法則

小企業は敏捷で、企業家精神に富み、反応が早く、効率的だ。大企業は鈍重で、官僚的で、反応が鈍く、効率が低い。これが今の常識である。

全くの戯言だ。大きくなりたいと思わない小企業には出会ったことがない。規模の大きい競争相手の研究開発予算やマーケティング予算、営業部門の規模と顧客基盤を羨まない小企業にはであったことがない。そしてもちろん、小企業の経営者は、建前では巨人ゴリアテに挑むダビデを装っているが、本音では「あの大企業のように資源を使える立場になりたい」と語っている。

大きいことはいいことなのだ。規模は力だ。幅と深みによって、巨額の投資、思い切ったリスク負担、投資の成果を根気強く持つ姿勢が可能になる。

ただ大規模な組織を動かすにはそれ相応の手間が必要となる。それは根回しであったり、承認のステップであったり、その他大人の事情であったりするんだろうけど。
そういうものが面倒な人はベンチャーへ行くべき、ってことなのか?

あと日本の就職活動をしている学生の実感に一番近いのは
キャリアデザインと主観的選好を巡る大企業志向とベンチャー志向の価値認識の差異

に書かれていることじゃないかと思う。日本ではまだベンチャーはリスクが高い割りにリターンが少ない(ストックオプションで一攫千金等リターンはあるのかもしれないが、それを高学歴学生が具体的にイメージできる下地が無い)。

自分は何を価値判断基準として就職先を決めたか?「好きを貫く」だけで決めたのではないことは確かだ。家族や恋人や偏見やブランド意識や、そういったものがごっちゃになって決めたというのが実際のところ。

いずれにせよ、もう賽は投げられてしまいましたとさ。