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新海誠「秒速5センチメートル」

ニコ動にて(上から順になってる)。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm632790
http://www.nicovideo.jp/watch/sm660288
http://www.nicovideo.jp/watch/sm660334
http://www.nicovideo.jp/watch/sm660382

田舎の駅、原付に寄りかかる女の子、夕日のさしこむ教室…相変わらず背景は本当に本当に美しい。記憶の中で美化された「あの頃」の風景と見事にシンクロする。それと比べてしまうと相変わらず人物はテキトーなのだが。

ストーリーに関しては駄目な人は完全に駄目だと思う。悪く言うとそれなんてエロゲ的な世界観。今までのようにSFではなく現代劇なので多少その色は薄まっているけれど、文脈としては所謂セカイ系の手法なので、そういうのがこっぱずかしい人は開始5分でギブアップになってしまう。まぁ、日本橋ヨヲコのようににそういう青臭さを監督自身確信犯的にやっているという部分はあるかもしれないが、それでも好みは別れる方だろう。山崎まさよしも、あざといといえばあざとい。

まぁ、それでも僕はこういうのが大好きなんだけど。

しかしこの映画を女の子に見せたときにどういう反応が返ってくるのかが気になる。多分「ふーん」「そんなもんでしょ現実は」みたいな感じだと思うんだけど、こういう喪失感というか、村上春樹の主人公的な人生観というか、外界にコミットしないで生きていくのが美学というか、そういう感情って男特有のものなのだろうか。それはよく言われる「男は別名で保存、女は上書き保存」みたいな事と同じ議論なんだろうか。

センチな気分になりたい時に、メタ視点を一時的に消して見るのがお勧め。

超映画批評『秒速5センチメートル』85点(100点満点中)