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さよなら仙台、こんにちは厚木

明日の入寮の為に厚木にいる。初めてはやてではなくこまちに乗り、本社で健康診断を受け、いろいろあってまた東京駅に戻ったりしたこともあって夕方には疲れ果ててしまっていた。重いトランクを引きずりながら小田急線快速急行で本厚木まで、初めて降りた北口のきれいなビジネスホテルで今こうやってキーボードを叩いてる。

街を少しだけ外れた大衆居酒屋で一人はらす焼きやら烏賊の塩辛をつつき、エビスビールをあおりながら昨日一日を少しだけ振り返った。家の引き払いに立会い、長年通った一番町の美容院にいって髪を切り、高校時代三年間一緒に電車で通った友達のお姉さんである美容師さんに別れのあいさつをして学位授与式の会場に行った。式自体はどうってことないものだったけど、それが逆にいい感じだなと総長の挨拶を聞きながら思った。その後学部時代の友達とべたに集合写真を撮ったりして青葉山に戻って学位記を受け取り、研究室に戻って最後の挨拶と研究室を離れる旨のメールを打った。

バスで仙台駅に降り、時間を潰すつもりで入ったオッジドマーニでレーベンブロイを飲んでいると、となりのスペースに入ってきたのは高校時代と大学一年生の時つきあっていた女の子のお姉さんだった。その女の子は僕が初めてつきあった女の子で、僕のことをすごく好きでいてくれた子だった。結果的には環境が変わったことで僕達はすれ違うことが多くなり、べたに別れてしまったんだけど、僕も彼女も精神的に大分やられていたし、そのことでいろんな人に迷惑をかけたし、傍目に見れば相当痛い奴だったと今は思うけど、本当に辛い時期だった。

その後彼女にはすぐ彼氏が出来たし、勿論僕からは連絡を取ることはしなかったので彼女とはもう5年以上音信不通なんだけど、お姉さんは一年か二年に一度電話をくれたり、街で偶然会って話し込んだりしてほそーく長い関係を続けてもらっている。お姉さんに奢ってもらったシャンパンを飲みながらあれが有ったのはまだ僕等が10代でお姉さんが24の時だったのに、今僕は24だしお姉さんは29だよどうするおい、みたいな話で二人感慨に耽ったりした。

僕とその彼女は今ではもう何の繋がりもないけれど、彼女が午前中あった学部の卒業式で卒業生の総代として答辞を読んだと聞いてホントに胸が熱くなった。彼女は僕のことを憎んでさえいるかもしれないし、僕は何もしてあげられないけれど、それでも僕は彼女のことを気にかけているし、幸せでいて欲しいと心から思っているから、もし良かったら彼女にそう伝えてくれないかな、みたいなことを言ってお姉さんと別れた。仙台を離れる前日にこんな偶然があるなんて、人生って不思議だし面白いよねとか思いながら昔水時計があった場所まで走った。我ながら女々しいし気持ち悪い。

その後一緒に卒業する濱ちゃんやさえこぴと昔行った夏フェスの話、結局一度限りの開催になった小岩井ロックフェスの帰りに寄ったびっくりドンキーで全員箸を持ったまま寝てしまった話とか、健康ランドで濱ちゃんが携帯電話を大事に抱えたまま自販機の横で寝ていた話、RSRに行ったときフェリーに遅れそうになって原田さんが全力疾走した話とかをまた繰り返して笑いながらビールを飲んだ。彼らとはまたすぐ会えるから、べつにセンチにはならなかったけど、彼らにもホントに良くしてもらったし、いろんな思い出があるよね。感謝してます。

まぁこれも非常にべたな物言いだけど、今ここにいる自分ってそういう経験や記憶の総体でしかないし、どんな経験が後々大事なものになるかなんて分からない。だからどうだってわけじゃないけど、うれしいことも悲しいことも自分の一部として取り込むんだろうな、みたいな、そんな感じ。みんな卒業おめでと。