bookbridge's Blog

Gadget, Interior, Renovation, and so on

マンションの寿命はどのぐらいなのか

築30年のマンションを買ってリノベーションをしたわけですが、リノベーションに懐疑的な立場からの意見として、マンション全体の寿命を大半消費してしまっている物件を大規模に改修しても、建物全体の寿命が先に来るのでかけたコストが無駄になるという議論があるかと思います。

実際マンションの寿命ってどれぐらいあるのか、という問いに対して、HOME'S PRESSによい記事が有ったので紹介します。

国交省がこれまで公表してきた資料によれば、(中略)マンション(RC/鉄筋コンクリート造)は37年としているケースが多い。
ところがこうした数字は、取り壊された建物の築年数であったり、建物の新築数を取り壊し数で除した数字であったりして、実態を反映した正確な数字ではない。
(中略)
マンションの「寿命37年」の根拠はやはり「建て替えをしたマンションの平均築年数」。もちろん、築年数がもっと経過したマンションはたくさんあり、これもやはり寿命を表したものとは言えない。
住宅の寿命、本当はどのくらいか | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】

詳細は上記の記事を参照頂きたいのですが、2013年の論文でRC構造のマンションの寿命は68年となっており、我々の買ったマンションをこの結果に当てはめてもやっと折り返しを過ぎたぐらいの時期になります。残り40年近い寿命があるなら内装にある程度コストをかけても十分にペイすると考えられるので、この結果はリノベーションの有利性を示していると言えますね。

尚上記記事は"「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書 取りまとめ後の取組紹介"資料が元ネタになっていそうです。興味のある方は参照下さい。

中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書 取りまとめ後の取組紹介

戦後しばらくの間に建てられた住宅は性能がよくない等の問題があり、短期間で建替えられてきたため、建物の価値が20年程度でゼロになるという市場の共通認識が形成されてしまったのではないか。しかしながら、ここ20~30年に建てられた住宅は、性能が向上してきているので、リフォームを適切に行えば、100年でも十分もつものとなっている。
http://www.mlit.go.jp/common/001014514.pdf

との記述も有り、実質的な寿命はもっとあると考えてもいいのかもしれません。

少しマクロな視点で見ると、中古住宅の流通やリノベーションが活発化することで新築一辺倒の日本の住宅事情に多様な選択肢が生まれてくると面白いなあともおもいます。