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"ウェブ時代をゆく"の「大組織で成功できる要素」についてチェックする

僕が4月から行く事になる会社は売り上げ約4兆円、従業員数約17,000人の紛れも無い大組織。その中での自分の適性をある程度見極めるために、「ウェブ時代をゆく」の大企業で成功できる要素、をチェックして文章にしてみることにした。

(1)「配置」「配属」「配置転換」のような「自分の生活や時間の使い方を他者によって規定されること」を「未知との遭遇」として心から楽しめる。

これについてはあまり抵抗が無い。なんというか、僕は自分の人生みたいなものを自分でコントロールできると最初から考えていない所がある。まず生きていくこと自体がある程度の不自由さ、不確定性を含んでいるものだと思っているし、それらとどう向き合っていくかがこそが重要なのではないかと思ってる。気がする。

ただ今は一人だから大丈夫だけど、生活や時間の使い方が不自由だと家族とかが出来たときその人たちに迷惑をかけてしまわないかという懸念はある。上記のような考え方を押し付けるわけにもいかないしなー。

(2)与えられた問題・課題を解決することに情熱を傾けることができる。その課題が難しいければ難しいほど面白いと思える。

これは完全にあてはまってる。解けるか解けないかは別として、難しい課題ほど燃えるっていう性質は持っている気がする。

与えられた課題、って言うところもポイントなんだろうか。今時点の僕は自分で課題を見つけるというよりは、与えられた課題に対してどうアプローチするか、っていう取り組み方の方が得意だ。そういう意味では自分で課題設定からやらなければいけない純粋なR&Dというよりは、仕様に対して最適解を探す開発部門の方が向いているような気もする。これはされてきた教育の問題かもしれないけど。

(3)Whatへの「好き嫌い」やこだわりがあまり細かくなくおおらかで、一緒に働く人への「好き嫌い」があまりない。仮にあっても、苦手(つまり「嫌い」)を克服することを好む。

これはあまり当てはまらない気がする。サークルとか研究室での生活を省みるに、嫌いだと一度判断してしまうと仕方ない時以外はあまりその人に対してコミットしないようにしてきたように思う。ただ研究室で仕事を進めるときは、お互いに仕事のレイヤーだけで議論ができて、人格とか正確とか仕事より下のレイヤーに話が入っていかなければ自分は割と気持ちよく仕事が出来るんじゃないかと思う。

(4)「これが今から始まる新しいゲームだ」とルールを与えられたとき、そのルールの意味をすぐに習得してその世界で勝つことに邁進することに興味を覚える

これは結構ある。どちらかといえば熱しやすく冷めやすいタイプなので、新しいゲームとそのルールを理解すること、新しいツールを使えるようになることに対して結構ワクワクを感じられる。

周りと比べて何かを徹底的に突き詰めていくことに関してはそんなに得意では無いけど、新しいルールに対して素早く適応し、ある程度のレベルまで到達するのは結構得意なんじゃないかと自分では思っている。

(5)多くの人と力を合わせることで、個人ではできない大きなことができることに充実感を覚えるチームプレイヤーである

これもわりと。ミッションが達成できた効果への充実感は勿論大きいのだけれど、チームの中で自分が何かを達成できたときのチームへの貢献ってか、自分の存在感を示せたときというか、そういう要素に対しても結構充実感を持てる気がする。

(6)「巨大」なものが粛々と動くことへの関与、貢献に達成感と充実感を感じ、長時間長期の「組織へのコミットメント」をいとわず、それを支える持続的体力に優れる

これからが巨大なものにコミットする初めての経験なので、あまり実感として感じられないんだけど、長期間長期のコミットメント、持続的体力、っていうのは現時点ではあまり当てはまらないかな。当然だけど、まだ5年10年スパンでの仕事にリアリティを感じられない。

(7)組織への忠誠心や仕事における使命感の方が、個の志向性よりも価値が高いと考える

それはちょっと違う。研究開発の中では個人の志向性を突き詰めて生まれたものが結果的に組織に貢献するっていう事も絶対あると思うし、そこらへんのバランス感覚が大切なのでは。

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今のところ結構当てはまってるんじゃないか、というのが全体を通しての感想。多分ベースになってるのは(1)で書いた無常観というか、不確定性はそりゃあるよねっていうところだと思うんだけど。上手くいえないけれど、僕は生きていくことそれ自体を結構困難なプロセスだと思っている節があって。

何度か書いている気もするけど、僕の好きなガンダムの台詞に、ブライト艦長の「与えられたものの中で、最大限に考えて生き延びるんだな」っていうのがあって。自分に与えられたリソースが何かを考えて、それを最大限利用して何とか「生き延び」ていかなきゃな、っていう、そういう感覚。

ただウェブ以前は大組織に所属して、好きかどうかは後回しにしてそれでっていうのが生き延びる唯一の方法だったけど、ウェブはそこから降りて好きを仕事にしてもなんとか生き延びる手助けになってくれるよ、って言うのが梅田もっちーの言ってる事なんだよね。生き延びられるなら、どうせだったら好きな事をしてみたいとよね、とは思うし、これから大組織で息苦しさを感じるような時はまたこのチェックをしてみようと思う。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

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