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僕とcyan

最近は毎日修士論文を書いている。とはいってもベースはだいぶ書き上げてしまったので、データを取り直したり、図を追加するのがおもな作業。ちょうど2週間後が本審査なので、あと2週間で研究が終わりだと思うとなんだが感慨深い。

cyanは僕が使っていたlinuxのホスト名だ。僕が研究室に入ったとき丁度総合研究棟への引越しがあって、EDA用のマシンを何台か買ったのだけれど、その中の一台が僕に割り当てられた。名前は当時いたドクターの先輩がホスト名は色の名前で統一しようみたいなことを言い出したのでcyanになった。他のマシンはredとかmagentaとかそんな感じだ。センス悪い。

いまではすっかり影が薄くなってしまったけど,EDAの世界ではまだSUNのSolarisが一般的らしい。少なくともインターン先も就職先もそうだった。しかしながらSUNのWSはべらぼうに高いし、パフォーマンスも悪いということだったのでうちの研究室ではlinux+x86の構成で行こうということになった。ご存じの通りx86でもSolarisは動くのだが、研究室に入りたての僕にはそんなことわからなかった。EDAのツールを公式にサポートするディストリビューションRHELしかなかったんだけど(おそらくこれはいまでもそう)、お金をかけたくないということでRHELを買わずにフリーのディストリビューションを手当たり次第試すことになった。

いくつかのディストリビューションを試した後,CentOSなら想定している全てのEDAツールが動きそうだ、ということがわかった。CentOSRHEL のクローンなんだからそんなことは当たり前なのだが、当時はそれすらも分からなかったのだ。

そんな感じで僕にあたえられたのがcyanだったのだ。Unixにほとんど初めて触れる僕にとってcyanは格好のおもちゃだった。システムフォントを入れ替えてみたり、emacsというエディタが使い易いということを知って.emacsを初めて触ってspiceのネットリストとかvelirogのソースをハイライトできるようにしてみたり、mt-daapd使ってストリーミングサーバにしてみたり、どれも簡単なことだけどいろいろなことを試させてもらった。シミュレータの使いかたもレイアウトエディタもこのマシンの上で時々徹夜したりしながら勉強した。

いまこのマシンは4年生の後輩といっしょに使っているので、僕が卒業したら彼に引き渡すことになっていて、そのことが凄く寂しかったりする。試作したチップ君は僕の期待に答えてくれなかったので(もちろんこれも僕が悪いんだけど)そんなに未練はないのだけれど、このマシンだけは持っていきたいなーと思ってる。普通に無理だけど。

そんなわけで今日おそらく最後のシミュレーションをしたので、マシンへの感謝を込めて多少気持ち悪い文章を書いてみた(もちろんcyan上で)。3年間ありがとね。